こんにちは。リトルプラスのカメラマン佐々木和雄です。

リトルプラスは、子どもの気持ちに寄り添った撮影を大切にしていますが、
それって具体的にどういうことでしょうか?
 
少し長くなりますが、一例として、先日スタジオでの七五三撮影の様子をご紹介しますね。
 

5歳になるTくんは、3歳の時も着物を着るのをものすごく嫌がっていたそうです。
 
今回も衣装の下見の時点で断固拒否だったようで、
「当日きちんと着てくれるかどうか心配です」と、
お母様から事前にご連絡いただいておりました。
 
子どもにとって着物を着るというのは、日常とはだいぶ違うもの。
 
その非日常が楽しい子もいれば、嫌がる子も当然います。
 
なので、嫌がってしまった時に、どう対応するかがポイントになってきます。
 
ここで怒ったり脅したりして無理やり着せようとしても、逆効果になる場合が多いです。
 
お母様には、

「もしどうしても着れなかったら、衣装だけ持ってスタジオに来てくださいね。
こちらで何とか対応させていただきます。」

とお伝えしておきました。
 
親からの「着なさい」というプレッシャーが
子どもにとって負担になってしまうこともあるので、
お母様にも気持ちの余裕を持っていただくためにこのようにお伝えしました。
 
 
さて当日。
 
衣装屋さんではなんとか頑張って着物を着てくれたようですが、
スタジオに向かう車の中で「嫌がって脱ごうとしています」と
お母様からLINEが来ました。
 
着物は着て来てくれないのではとも想定していたので、
着てくれただけでも拍手です!

着て来てくれさえすれば、あとは何とかします。
 

スタジオに到着すると、やはりTくん、着物を嫌がり必死に脱ごうとしています。
 
ふと足元を見ると、鮮やかな緑色の靴下を履いていました。
男の子が大好きな新幹線の靴下です。
 
親御さんのお気持ちとしては、緑の靴下を白い足袋に履き替えてほしいところです。
 
でも僕は、まずこの靴下に目をつけ、この靴下を褒めました。
 
普通であれば、まず着物姿を褒めるのですが、
着物を嫌がっている子に着物を褒めても効果がありません。
 
Tくん的には、全身の中で今気に入っているのは唯一この緑の靴下だけなのです。
 
「わー、カッコいい新幹線の靴下だね!」と僕が声を掛けると、
 
今まで着物を脱ぐことだけにフォーカスしていたTくんの表情が
ちょっとだけ変わりました。
 
続けて「この新幹線、なんて言うの?」と尋ねると、
 
「はやぶさ!」

と元気に答えてくれました。
 
新幹線の話を始めると、表情がどんどん明るくなっていき、
着物の事は一旦頭から離れてくれたようです。
 

その後は、好きな乗り物や食べ物なんかのお話をしたり、
撮影小物の和傘で遊びながら、
頭の中を好きなもの、楽しいことで満たしていってもらいました。
 
ここまで来たら、気持ちの乗っているうちに、どんどん撮影を進めます。
 
とは言え、いつ気持ちが変わってしまうかわからないので、
こういうケースは最初の5分が勝負になります。
 

ひとまず靴下はそのまま履いててもらうことにしました。

せっかく盛り上がってきた気持ちを靴下を脱ぐことで、
気分が下がってしまっては台無しです。

足元まで写さなければ、靴下のことはわかりません。
 
最初の5分で約50カットをいろんな角度から。
バッチリ笑顔で撮り切ることができました。
 

「Tくん、とっても上手にできたから、良い写真が撮れたよ。ありがとう!」
 
と伝え、
 
「もう着物を脱いでもいいけど、どうする?」
 
と聞くと、なんとまだ着てると言ってくれました。
 
さらに、お気に入りの新幹線の靴下も、すんなり足袋と草履に履き替えてくれました。
 

こういうケースで大切なのは、まずはTくんの気持ちを満たすこと。
  

子どもにとっては、
「着物を着たいか・着たくないか」

が問題なのではなく、

「今この場所が楽しいか・楽しくないか」

が問題なのです。
 

まず「楽しい」が満たされると、
着物を着たい・着たくないはそれほど問題ではなくなります。

そして、こちらのリクエストも聞いてもらいやすくなります。

  その後は、兄妹で撮ったり家族写真を撮ったりと最後までご機嫌で過ごしてくれました。
 
 
無事に撮影が終わり、数日後に写真をお届けすると、お母様から
 
「笑顔やヤル気を引き出すのがとてもお上手で、さすがプロカメラマンは違う!!と思いました。
本当にありがとうございます!」
 
と嬉しいご感想もいただくことができました。

 
今回は、お父様・お母様も温かく見守っていただけたおかげで
スムーズに撮影が進みました。

撮影の成功には、お父様・お母様のご協力も欠かせません。
 
Tくんのお父様・お母様、ありがとうございました。


**********

もちろんこれは一例で、毎回必ずしもこのようにうまくいくとも限りません。
 
ひとつ試してダメなら、また違うアプローチを試してみて、
それでもダメならまた違う角度から…
 
という感じで、お子様がどうしたら「楽しい」を満たせるか
を常に考えながらコミュニケーションを取っています。
 

どんな状況であっても、その子を否定せず認めることが何より大切かなと思います。
 
それがリトルプラスの「子どもの気持ちに寄り添った撮影」につながります。

100人いたら100人それぞれ違うし、もちろんそれで良いと思っています。
 
一人一人違ったアプローチが必要になりますが、
10歳・5歳・2歳の3人の子育て真っ最中のパパでもある僕が、
これまで12年間で6,000人以上のお子様を撮影してきた経験で
蓄えた引き出しをフル稼働して撮影させていただきますので、
どうかご安心してお任せ下さいね。
 
写真を撮られるのが大好きな子はもちろん、
撮られるのが大嫌いな子も、
人見知りな子も、
動き回って全然撮れない…という子も、
どんな子も大歓迎です!!

  

 

●札幌で唯一、目の前に森が広がる隠れ家フォトスタジオ

リトルプラス